ウェルチ リーダーシップ31の秘訣
Get Better or Get Beaten! 31 Leadership Secrets from GE's Jack Welch
ロバート・スレーター
日経ビジネス人文庫
GE(ゼネラル・エレクトリック)社、8代目最高経営責任者(CEO)兼会長であるジャック・ウェルチについての本である。在任18年間で純利益を7倍にした実績があり、世界有数の経営者といえるだろう。
しかし彼はその18年間で従業員数を3分の2にした、リストラのパイオニアでもある。社員解雇、成長が見込めない事業のカット、経費削減要求など、大胆な指導者ぶりを発揮する。凄いと思ったのは、順風満帆な経営状態の時代から未来の状況を予見し、大鉈を振るっていくところだ。肥大化組織を時代に適応させていくための
実践事例報告集とも受け取れる本だ。
組織が大きくなると、内部崩壊をしはじめる。およそ現代の企業は短命だ。ところが、GEは、創設者のトーマス・エジソンのころから存続している恐ろしく息の長い企業である。ウェルチは、大企業にありがちな官僚制の仕組みを解体していった。管理職の数も減らし、ピラミッド組織を平坦につぶしたのである。一つの起案書が実行に移されるまで、
いくつもはんこを必要な企業では、社会変化のスピードについていけないのだ。
また、権限を労働者に移していった(エンパワーメント)。それまで労働者は、脳を使うことなく、手足を動かしていたが、彼らのアイデアが生かされるようになった。ウェルチは理念を社員全体に伝え、適切な資源配分をした後は、社員に任せ、いちいち口出しをしないという。リーダーとして大切なのは、細かい戦略計画を押しつけることではなく、理念をしっかりと伝えることだと学ぶことができた。